裸眼視力「0.3未満」の小学生50万人超に。でもこれは遠くだけの視力なんです

昨日12/9に文部科学省から平成22年度の学校保健統計調査の結果が公表されました。

幼稚園かや高校までの身長や体重などの発育状況ははもちろん、栄養状態, せき柱・胸郭の疾病など健康状態について毎年調査され、公表されます。

その中でメガネ屋さんとしてやっぱり気になるのは子供の視力です。

データからわかりやすいように小学生の裸眼視力の推移をグラフにしてみました。

これによると、視力が「0.3未満」の小学生の割合が7.55%となり、過去最高を更新しました。小学生全体で推計すると50万人を超え、同省は「幼い頃からゲームなどで画面を見る時間が増えているため」と分析しているそうです。

調査は今年4~6月、全国の23%にあたる約135万人を対象に実施。同省が最も低い視力と分類する「0.3未満」の小学生の割合は、前年度比0.28ポイント増え7.55%で、統計を取り始めた1979年度(2.67%)の3倍近くとなりました。

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裸眼の視力が悪いのは黒板の字が見えないや先生の顔がはっきり見えないなど問題があるのはもちろんですが、実はこの調査ではわからない深刻な問題があるんです!!

それは、この視力調査が「遠くを見るときだけの視力」だけを対象としていること。

言い換えると「近くを見るときの視力」はわからないということです。

視力が悪いと言う場合、そのほとんどが「近視」であることが多いです。この場合は文字通り遠くは見えないが近くは見えるということになるんですが、この発見は今の視力測定でわかります。

もう一方で「遠視」という眼があります。

これは遠くが比較的良く見える方に多いのですが、遠くが見えるから「良い」という訳ではありません。遠視の場合遠くは見えても近くが見えにくいという現象が多いにあるんです。

「遠視」の方は遠くは良く見えます。しかし、これは眼の構造上や調節機能上からは絶えず眼の筋肉が力を出してしっかりピントが合うように調節しているから見えるんです。この力を出しているという事は本人には自覚がありません。特に小さなお子様の場合は若く、力もあるのでわからないと思います。

しかし、人間の眼はもとから近くを見るときには眼の筋肉を動かし、調節をしてピントをあわせるように出来ています。ということは遠視の子の場合、遠くを見るときにも力を使い、手元を見るときにはさらに力を使わなければいけません。

力は当然無限にはありませんし、力を出し続けることは負担の原因にもなります。そうなると、「近くは見えていない」という現象が起こりうるんです。

近くの視力(近見視力)が悪いのはと多くが見えない近視より問題です。発見も遅くなるし、手元が見えないということは本を読んだりノートを取ったりということも続きません。集中力も無い子どもになると言われています。

遠くが1.5や2.0だったいう方、一度遠視かどうかの検査を眼科さんやメガネ屋さんでお勧めします。

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