今日はメガネレンズ「オクルーダー」とは?その効果と使い方をやさしく解説したいと思います。
「片目を隠すメガネ」と聞いて、どんなものを想像しますか?実は、これは「オクルーダー」と呼ばれる特殊なレンズでして、視力の発達や目の機能に悩む方々にとって、とても大切な役割を果たす医療用のツールです。
今回は、この「オクルーダー」がどのようなもので、どんな目的で使われるのかを分かりやすく解説していきます。
早速現物のご紹介。こんな感じになります。
オクルーダーの基本的な役割
オクルーダーとは、「片方の眼の視界を意図的に遮る(さえぎる)」ために作られた特殊なメガネレンズやシートのことです。
ラテン語で「閉塞するもの」を意味する言葉が語源となっているそうです。
主な目的は、片方の目からの情報を遮断することで、もう片方の目の機能を重点的に使わせたり、両目で物を見たときの不快な症状を緩和したりすることにあります。
オクルーダーには、遮蔽の度合いによっていくつかの種類があります。
・完全遮蔽タイプ: 光を完全に通さない、真っ黒なレンズです。完全に片方の視界を無くしたい場合に使用されます。
・半透明(膜)タイプ: レンズの表面をすりガラスのように加工したり、特殊なフィルムを貼ったりすることで、光は感じるものの、形がはっきりと見えないようにするタイプです。外見上、真っ黒なレンズよりも自然に見えるという利点があります。
眼鏡店ではこのタイプを使用することが多いです。
どちらのタイプを選ぶかは、使用目的や眼科医の判断によって決まります。
オクルーダーの主な使用目的
オクルーダーは、主に以下のような目的で使用されています。
1. お子様の弱視治療
一つ目は、お子様の弱視治療です。
弱視とは、メガネやコンタクトレンズを使っても視力が十分に上がらない状態を指します。視力の発達が盛んな幼児期に、片方の目の視力がもう片方の目よりも著しく低い場合、脳が良い方の目からの情報ばかりを使ってしまい、悪い方の目の視機能が発達しにくくなります。
そこでオクルーダーの出番です。視力の良い方の目をオクルーダーで隠し、あえて視力の低い方の目を集中的に使わせることで、その目の視力の発達を促します。これは「遮蔽訓練」と呼ばれ、弱視治療の基本的な方法の一つです。
ただ、最近では遮蔽時間が長いと見える方の眼に問題がおこる事もあり、オクルーダーを組み込んだメガネを掛けるという事は少なく、アイパッチと言うつけ外しが簡単に出来る(遮蔽時間の調整が出来る)方法になっています。
2. 斜視や複視(物が二重に見える)の症状緩和
大人の方でも、病気や怪我などが原因で、左右の目の視線がずれる「斜視」になり、物が二重に見える「複視」という症状が現れることがあります。
複視は、左右の目から入ってくる像を脳が一つにまとめられないために起こります。このような場合、オクルーダーで片方の目からの情報を遮断することで、脳に届く像が一つになり、物が二重に見える不快な症状を一時的に解消することができます。これは根本的な治療ではありませんが、日常生活の質を向上させるための対症療法として有効です。
この方法で使う事が最近ではほとんどです。
使用する上での大切な注意点
オクルーダーは視機能に大きく影響を与える医療用具です。そのため、使用にあたっては以下の点が非常に重要ですのでご注意ください。
**必ず眼科医の診断と処方が必要です。**自己判断で使用を開始したり、中止したりすることは絶対に避けてください。特に、お子様の弱視治療では、遮蔽する時間や期間を医師の指示通りに厳密に守ることが治療効果に直結します。
**定期的な検査を受けましょう。**治療の進行状況を確認し、適切な時期に治療方針を見直すために、眼科での定期的な検査が欠かせません。
オクルーダーは、視機能の治療や矯正において重要な役割を果たします。もしご自身やお子様の目のことで気になることがあれば、まずは専門家である眼科医に相談することから始めましょう。