その昔、白内障後のメガネレンズはこんなタイプでした

久々に懐かしいレンズの注文があったのでちょっとご紹介。

そのレンズは「キャタラクトCataract」という呼び名です。「キャタラクト」は英語なのですが日本語に訳すとずばり「白内障」そう、白内障術後の専用メガネレンズです。

今では白内障の手術は簡単で、しかも、手術時には「眼内レンズ」を取り除いた水晶体の変わりにピントを合わせるために挿入します。

しかし、この眼内レンズの挿入以前は白内障の手術と言うと、水晶体を取り除くだけの方法しかありませんでした。

つまり、変わりのレンズを眼内に挿入するレンズも技術も確立していなかったんです・・・

その結果、ピントを合わせる水晶体を取り除くので白内障よる見にくさは無くなりますが、変わりがないので遠くも近くもピントを合わせることが出来ません。

そこで、水晶体の変わりをするメガネレンズを掛けるしかなかったのです。

それが、今日ご紹介する「キャタラクトレンズ」です。

nkcat.jpg nkcat2.jpg nkcat3.jpg

この方の場合度数は+11.00とキャタラクトの中では少なめの度数。それでも通常の遠視や老眼の度数と比べるとかなり強度です。

このレンズの特徴は中心部のみ度数を入れます。これはレンズ全面に度数を入れるとレンズがとても部厚くなるのでレンズの外形を65mmとすると、その中心部分45mmほどのみに度数を入れるようにします。

その為、写真のように真ん中のみが「プクッ」と膨らみます。(見た目は出目金のようになっています)

以前は白内障の術後と言えばこれしか無かったので、見た目も悪く、重たいメガネしか出来ませんでしたが、今では眼内レンズのおかげですっかり楽になりました。(それでもメガネは入りますが)

メガネ業界に関してはレーシックなどがありますが、この白内障の眼内レンズによる効果が低リスクハイリターンの最大の進歩だと思います。

最新情報